わかばVol122 人生100年時代 安藤厚子
こんなにも色々な緑があるのかと思われる若葉が目に眩しい五月に
私の心は躍りましたが例年以上の気温差の激しさに
体の方はついていくのにたいへんでした。
皆様は今年の春をいかがお過ごしでしたでしょうか。
先日、長年のお客様が「来月、東京の娘の所に引っ越すことになったので。」
とわざわざご挨拶に来て下さいました。
私は突然の事でびっくりしたと同時に、
Yさんは80歳を過ぎた今日まで愛知県から一歩も出て暮らした事がなく、
全く知らない慣れない土地にこれから行かれるのか……
多分ご本人も予想外であったろうと思うと
私は少し複雑な気持ちになりました。
いつも元気で働き者でまわりの人に頼られて
長年のおそうじの仕事でモップを持って
床をピカピカにするまで磨いて鍛えられた握力で
私の二の腕をつかまれると思わず「痛い‼」と
叫びたくなるほどの力強さでした。
そんなパワフルなYさんは、
「こちらの事は御先祖の供養も含めてすべてやり終えて、
物は全部処分したので、もうこちらに来る事はないと思います。」
見た目の威勢の良さとは反対に
実のところ内面はシャイなところもある方なのに
とても潔い決断は見事でした。
人生100年の自体『終の住処』はどこになるのかわかりませんね。
人生100年の時代といわれていますが、
ある本によれば生涯をとおして
幸福を生み出す最大の源泉は無形の資産だそうです。
もちろん有形の資産(お金など)は最低限必要ですが、
その無形の資産とは
・健康であること
・家族や友人との人間関係
・好奇心や情熱が得られる生きがいなど
いわれて見ればどれも生きていく上で
大切なバックボーンになるものと思います。
長い人生のうちには自分がピンチの時、
親友が寄り添ってくれて乗り切れるという事があると思いますが、
急に“親友”が必要だからといって、
無形だけにお金を出して“親友を買いに行くなんて事はできません。
かけがえのない友人などはまさに人生において無形の資産なのでしょう。
また、自分が夢中になって情熱を注げるものがあるのは
本当に幸せだと思います。
生きがい、やりがいのある事に運よく遭遇すると
豊かな人生となり、これもまたその人の無形の資産なのでしょう。
そして『健康』これは今さら言うまでもありません。
これらがお互いに相まって幸福を生み出していくのでしょうね。
先だって、主人の恩師の方の99歳の“白寿のお祝”に参加させてもらいました。
奥様も94歳でその奥様が
「今度会った時『あなたは誰?』と言うかもよ。」と
冗談が出るほどお二人とも穏やかにお元気でした。
いつのまにか私も人生の第3コーナーか第4コーナーになり
少なくとも半分以上は過ぎてしまいましたが、
果たして無形の資産はいかほどか……。
でも有限の時間なので、一日一日を大切に生きていきないと改めて思います。
どうぞ皆様も何歳からでもよいので
ご自身のより良い人生を創っていって下さいね。
ご健康を祈ります。