わかばVol118　最近の店頭で　安藤厚子

 

月日は巡り、早や10月を迎えました。

皆様、いかがお過ごしでしょうか？

今年の夏といえば、老若男女、誰でも暑かったのですが、

「今まで生きてきた中で、今年はいちばん暑かったです。

戦時中でもこんなに暑くなかったです。」とおっしゃったのは

来店された94歳のお客様です。

今年の猛烈な暑さを語るには、

これほど実感のこもった説得力のあるお話はないと思いました。

そして驚くことに、この最も暑い夏におひとりで毎週、鍼灸治療に通われたのです。

それも地下鉄に乗って・・・。

その体力、気力に私は脱帽です。

お話を伺っていいてもとてもていねいに

しっかりと自立して生活をされています。

時々このようなステキな90代レディたちが来店されて

偶然お店で後ろ姿を見られた60代のお客様たちから

「私もあんな風になりたいワ！！」とのお声が聞かれます。

先日、店の2回に居た主人と私の所にスタッフが呼びに来てくれて、

「今、お店に『先代の方はいらっしゃいますか』と訪ねて来られた方がいます。」と

少しいぶかしそうに伝えてくれました。

果たして誰だろうか？と思いながら階段を降り、会ってみたら、

わが薬局の開店当時に取引のあった銀行の担当だったYさんで

突然訪ねてきてくれたのでした。

当時2年ほどわが店に通ってくれたようでしたが、それ以来の再会でした。

よく覚えていて会いに来てくれたものだと主人も私も

あまりにも突然の事と懐かしさで何だか心が浮き立ちました。

彼は当然、今は定年となり、その後資格を取って第二の人生を歩んでいました。

後でスタッフから「どういう人ですか？」との質問に

「46年前の若かりし私たちを知っている人よ」と答えると、

彼女たちから見れば、生まれる前のはるか昔の話なので

当然ながらピンとくるはずはありません。

草貫堂は古くからやっているナァと思ってくれたかもしれませんが・・・・・。

彼にしても、私たちにしても

あの頃から今に至るまで、途中での交流はなくてもそれぞれの道をひた走り、

今になって少しふり返ることのできる年代になってからの再会でした。

お互いに容姿は少しだけ（？）変化していましたが、

それぞれ今日まで山あり谷ありの人生だったかもしれません。

それでも無事に再会を果たせたのは何よりと思いました。

過去と現在はまちがいなくつながっているのですね。

つかがっているといえば、主人は最近になって

若い頃にやっていた油絵を再開しました。

そのおかげで学生時代の友人たちとの交流が改めて増えてきて楽しそうです。

どうぞ皆様も無病息災とまではいかなくとも、

一病息災でもよいので、過去のご縁も大切に

寿命までお元気にお過ごし下さいね。

ひょっとしたら予期せぬ楽しい出会いや再会が待っているかもしれませんよ！！

ご健康を祈ります。