2015年11月20日金曜日
漢方の草貫堂 健康ニュース「わかば」 <2015年10月 第80号より>
~おサルさんのしっぽ~
先日ベテラン助産師さんのお話を聞く機会がありました。
この方は「いのちについて考えよう」という出前授業を小学校などでされています。
とても庶民的な人柄で、まず始めに私たちに「小学校でお話しするのと同じように、今から話します」と前置きをされて、胎児の成長の様子やお産の場面のスライド視聴などを通して、命の大切さについてわかりやすい話ですすみます。
「みんなのお父さんとお母さんからできたこんな小さな卵がお母さんのおなかで大きくなって、今の君たちがいるんだよ。そのまたおじいちゃん、おばあちゃんとたどって20代前にさかのぼると、『一休さん』の時代なんだよ。その時から数えると百万人のご先祖様がいて、今の君たちがいるのだよ」
「へぇ~!!」という歓声があがって「もっともっと前のご先祖様はだれかな?」と質問すると、どこの小学校でも誰かが、「おサルさん!」と答えるそうです。
「そうだね。おサルさんはしっぽがあるよね。君たちは、お母さんのおなかにしっぽを置いてきたはずだけど、まだ今もしっぽを持っている子、この中にいるかな?」ここで笑いが沸き起こります。
そんな子たちも、出産時の様子などを見ると「命ってすごいな」と神妙な面持ちになるようです。
最後に、子供たちが赤ちゃんとのふれあいとして抱っこすると、どの子も実にやさしい、いい表情になると云われました。
もう何千人ととりあげている、このベテラン助産師さんでさえ生まれるたびに、神聖な感動の瞬間があり、これを味わう事のできるこの仕事をやめたくないそうです。
彼女の住む地域では、『早寝、早起き、朝ごはん』というスローガンをかかげているとの事。
当たり前のことなのに現代の子供は出来ていないそうです。せっかく皆の想いがこもって生まれてきた大切な命が健やかに育ってほしいという願いからのスローガンなのでしょう。